神埼町山田 大野一太さん(明26生)
あの、彦山の山伏(やんぼっ)さんが来らしたてっちゃん。
そうしたところが、嬶(かか)と親父とじゃろうだい、一生懸命なって、
その、味噌ば搗きよってじゃんのう。
そうしたところが、子の多してなた、しゅうじゃったこっちやいで、
糞(くそ)たれとったもようたい。
そけぇ、糞(うんこ)ばさい。
そいば、そっとひっ掴まえて、パッと臼の中(なき)ゃあ入れたらしか。
そいもんでがにゃあ、そいがあがんとで、師走の味噌は搗くこっとなんて。
彦山の山伏さんが水かかってさい、がんことしたもんで、
師走の味噌搗くもんじゃなかて。
(出典 未発刊)