神埼町横武 馬場崎タツさん(明12生)
昔から、あの、男の着物になたあ、
あの、この縦じまじゃなく横せを着せとくぎぃ、
人柱に立たんばらん。
そいぎなたあ、鶴田橋(つっだ)の音きれちなたあ。
鶴田橋の際のくさんたあ。
そん時あの、いくら止めしたっちゃ止まらんてっちゃんなたあ。
そしてその、区長さんしておんさったこっちゃい、
庄屋さん四といやったこっちゃい、
その人ななたあ、わんざと横せしまのした着物ば着てなたあ。
そして、跳び込みんさったて。
その人が横しまばぶせてあったて。
そいけん、男の着物に、あの、着物でん縦にゃ、縦じませんばでけん。
横じまはされんちゅうところ。
そぎゃんたあ、聞いたことのあっごたんたあ。
そいけん、あつこのお地蔵さんの建っとってばんたあ。
[大成 本格新四六 長良の人柱]
(出典 未発刊)