神埼町竹原 山口トヨさん(明22生)

 誰(だい)さんじゃいその、

「味噌豆煮よっ」ち言(ゅ)うてなたあ、

蓋(ふた)ば開けてみなったぎなたあ、

人間ば炊きないよったちゅう話たんたあ。

そいぎぃ、そいからその、

「味噌豆は炊く時ゃ、七里も立ち返ってでんみて、食うてくんさい」

ちゅうことじゃろうなんたあ。

その二番お母さんの、その、茹でないよったじゃろうなたあ。

そして、そいが、味噌豆煮よって。

その二番お母さんの言いなったじゃろうなたあ。

そいもんじゃい、蓋ば開けてみっとじゃろうねぇ。

蓋ば開けてみて、

「食べて、お世話なっていこうか」ち言うて、

開けてみなったぎぃ、人間ば炊きないよったて。

そいばとって、

「味噌豆ちゅうもんは七里でん立ち返って食べていたてくんさい」て。

[大成二一九 継子の釜茄 cf.AT七五一]

(出典 未発刊)

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