神埼町小灘 佐野ハツさん(明12生)
味噌豆を大釜で、味噌豆煮おんさっと。
その大釜の上にこう、橋をかけてあったでしょうかねぇ。
「それ乗ったら、元のお母(か)さんの顔が見える」て、言うて。
そしたら、娘さんが、そげぇ乗ってみたぎぃ、
タボーンと入って死んだでしょう。
そいぎぃ、死んだぎと、その娘さんを何処かに埋めたら、
そいから竹の、大きな竹の生えたとかて。
そいぎぃ、その竹で笛作ったら、
継嬶恨めしチンチロリン
て、その笛が鳴るったとか言う話ですよ。
[大成二一七 縦子と笛AT七八〇AⅡ]
(出典 未発刊)