神埼町駅ヶ里 山田伸一さん(明35生)

 あぁ、一休和尚さんじゃなかったかんたぁ。

修行中にその、お地蔵さんかないかに、

おっそろしゅうその、掃除ばせじょごれとったて。

そいぎその、立って小便ばまったて。

そいぎ、

「一休和尚が、糞(くそ)坊主が小便かけた」て、

恐ろしゅうその、まぁ、後からその、またタワシかけて洗うたて。

そうしたぎ、今度(こんだぁ)、すっぱいどめその、

もう病気にかかってどがんしゅうもなかったと。

一休和尚はもう、すでに体そのものが仏さんであって、

仏さんの体から出たその水で、

汚れとっとを小便かけたて、こうなっとるけれども、

ところが一般はその、あの糞坊主が小便かけたと。

そいけん、一(いっ)ちょタワシかけて

洗わんば出来んと、言うて洗うたぎ、洗うた者(もん)が

全部その、病気にかかったと言う話。

(出典 未発刊)

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