神埼町竹原 古賀吉三さん(明23生)
ある所になたぁ、橋のかかいよったて、立派な橋のなたぁ。
そいぎにゃ、その立派に仕上げてしもうてから、
この橋を通ったこたなんて、立て札の立っとったて。
そいぎその、一休和尚さんがなたぁ、
この橋を通ったこたなんないと思うて、
真ん中ば通ったもようたんたなたぁ。
そいぎ、そこの村の主が、
「こけ、ちゃんと立て札の立っとっとこれぇ、
どうしてお前、橋を通ったかぁ」て。
「端を通っよらん、真ん中を通っよっ」て。
そいけん、この一休和尚て言うとは、
なかなかこれゃ、ほんにやいてちゅう
ごたっ風な、話ばちょっと聞いたたんたぁ。
(出典 未発刊)