神埼町下六丁 平山九州男さん(大11生)
お釈迦さんの死に際(ぎわ)で、
もう、とにかくわからんやったて。
そいぎもう、燕はもうお化粧して、
おしろい付け、紅付け鉄奨(かね)付けて、
もう、わが身ないばっかい立派(じっぱい)しゅうで、
もそっと来よったらしかたんたあ。
そいぎぃ、雀はもう、ブウーと飛うできて、
「お釈迦さん、どがんすっぎよかやいきゃん。
何(ない)食うぎよかやいきゃん」て、こがん言うたぎい 、
「あさんな、いっちゃん早(はよ)う来たけんが、えぇ、五段ば食わい」ち。
そいけん、燕はその、穂の出っとよい早う食うて。
そいばってん、燕ははもそっつと来よったけん、
「わがどま、もそっと来よったけんが、虫けらどん食うとげぇ」
て、言われたけん、ありゃあ、虫けら食うちゅう。
[大成 雀孝行 四七A]
(出典 未発刊)