神埼町尾崎 (語り手・年齢不詳)

 なんて言ったっちゃ、

あっちゃこしばっかいその、すっけんが、 親父さんがなたぁ、

「こいがもう、ほんにもうにゃし、海べちゃあ、埋きゅうけんが、

ほんに海に埋けてくいろ」て言うた。

 今度(こんだ)山に埋けっくりゅうけんて思うて

(おい)が死んだこんにゃあ、海に埋けてくんさい」

ちゅうてその、親父さんが死に際に言うて死になったて。

 そいぎ、親父さんの今まで言いなった時、

反対ばっかいしよったばってん、

「お()ったんの死いなったもんじゃいて

死いなってからなっとん、()う事聞かんじゃて」

 言うて海辺に埋けたて。

そいぎ雨の降ろうごたっぎなとは、

「ほんにお父ったんのずんぶいしなった」

 言うてったい。

(出典 未発刊)

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