神埼町尾崎 (語り手・年齢不詳) 

 ちっとたらんとの嫁さんもって、

その、あの、あぎゃんとやったらしかね。

そいぎその、ちょっと、ひざなおし団子(だご)ちゅうて、

団子のあいよったてんね。

そいぎその団子のうまかけん、帰ってから、こりゃ覚えとって、

今度して食わせろちゅうて、言わんばなんと思うて、

「団子、団子」言うてきよらしたて。

そうしたぎい戸口ででん、

水口てんあったぎ、跳びこしのあったて、

「エットコショ、エットコショ」ち、言うて、こりゃおかしい事言うて、

こりゃ、やっぱいたらんじゃったやろうね。そいばってん、

「エットコ」ちゅうとは、なかはずちゅうてね。

嫁さんが、気のきいとったもんじゃ、そんないば、

「エントコでん知らんか」ちゅうて、叩いたもようじゃん。

そうしたぎんと、

「こりゃ、何回もあんたが、ひどう、うったたいたもんじゃ、

あたしゃ、だごん事はれた」と言うたもんね。

あぁ、その団子とエントコと、まちごうたもようじゃん。

(出典 未発刊) 

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