神埼市千代田町千歳用作 墨田カドさん(明36生)

  親孝行息子が、婆ちゃんを捨てきらずに、

自分のうちの床の下に、穴掘って隠して養っていたそうです。

そうしていたら、

「灰で縄をのうてこい」という、殿さまからのお触れが出たそうです。

それでも、どうしていいか分からないので、その息子がお婆さんに、

「どうしたらよかろうか」て聞いたところ、

「ああ、それはね、縄をそのまま火をつけて、

燃やして、そのまま持っていけ」と言われたそうです。

それで、そのとおりにしたら、灰が縄のなった形のままできたので、

それを持っていったら、殿様から、

「お前の知恵で解いたか」て聞かれたので、

「じつは、こうこうして、年寄のお婆ちゃんに聞きました」と言って、

姥捨山に捨てずに隠していた話をしたそうです。

それから、年寄は大事にするようになったという話です。 

(出典 千代田の民話 P158

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