神埼市千代田町城田丁太田 島ハツさん(明42生)

  和尚さんが、夏に、外でお経をあげて帰ってくると、

暑いので、帰ってから、瓢箪(ひょうたん)で涼んでおられたそうです。

瓢箪の中には冬に入れた風が入っているので、その風に当たっていました。

それを見ていた小僧さんが、

和尚さんな、瓢箪の中に何が入っているだろうか?と思って、

ある時、和尚さんの留守に瓢箪を口を開けてふってみたところが、

全部、冬の風がなくなってしまったそうです。

それで、小僧さんが、

これは、和尚さんから怒らられると思って、

瓢箪に尻を向けて、屁を吹きこんだそうです。

そうこうしていたら、和尚さんが、帰ってこられたそうです。

そうして、いつもの通り、瓢箪の口を開けてみられたら、

臭くて生ぬるい風が出てきたので、

「ありゃぁ、やっぱい、冬の風もねまっ【腐る】ばい」と言われたそうです。

そういう話を聞きました。

 (出典 千代田の民話 P103

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