神埼市神埼町駅ヶ里　米倉セイさん(明27生)

　「わがどま【お前たち】、人の言うこと聞きよらんぎい、

蛙（びっきー）に生まる」ち。そいぎぃ、

「なし、蛙に生まるっかい」ち言（ゆ）うぎい、

「こう言うぎ【言ったら】こう」て、

こじってなた【てこずらせたいた】。

こじいよっぎその、蛙がその、こじおったて。

そしたいば、お母さんの死んじゃったぎい、

雨の降っぎい、【雨が降ったら】

死んでじゃって（しまって）から、雨の降っぎその、

「山（やま）ゃあ埋け（い）てくいろ」て、

お母さんの言うとってじゃん。【いってたらしい】

そうしたいば、こじぜんべえーもんじゃい、【反対のことをせず】

蛙が川岸に埋けたらしか。

そいぎい、雨の降っ時や、その蛙が鳴いたて言いよりました。

そいけん、

「人の言うこと聞かんばでけん」ちて、言われよりました。

［大成　四八　鳶不幸］

（出典　吉野ケ里の民話　P32）

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