神埼市神埼町石井ヶ里 石松ノブさん(明34生)
ベッコウて言うとはなたあ、亀の甲羅(こうら)のことじゃんなたあ。
そいぎい、その亀はくさんたあ〔ですね〕、
ほら、首はジュウとぎゃんして、甲羅の中さい〔へ〕入らかすやろうがなた。
そいけんが、差し出口は一切せん、て言うごたる意味からとってくさんたあ、
花嫁に行く時はなた、ベッコウの簪(かんざし)ば、
して来(き)ないよったけん一切、姑(しゅうと)には
服従して、差し出口はせん、て言う。
その由来(ゆわれ)からとって、お嫁さんは、そのべッコゥの簪ばさしよったて。
〔本格昔話その他〕
(出典 吉野ケ里の民話 P108)
標準語 TOPへ