唐津市神集島 高崎正道さん(年齢不詳)

 勘右衛門どんは、

秋祭りのおくんち参りに大きな魚を下げて親類の家へ行った。

その家の者は、勘右衛門が持って来た大きな魚を見て、

「おう、勘右衛門どん、毎年お前さんから騙されるばってん、

今年は大きな魚ば持って来らしたぞ。

こりゃあ、ご馳走ば腹いっぴゃあ食わせにゃいかん」

と言って、ご馳走を出して振舞った。

勘右衛門は満腹になったから、

「どうも、ごっとうさん」と言って、

門口に下げていた魚を持って帰った。

その家の者は、

「あぁん、魚、家に持って来たかと思うとったら、

いんにゃあやった【違っていた】。

また、勘右衛門どんから騙された」と、悔しかった。

(出典 佐賀の民話1集 P247)

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