鹿島市末光 織田 茂さん(大15生)

 背負(かる)われて捨てられに行く。

帰り道を間違えないように、木の葉を落としていく。

連れ戻され、連れ戻してわが家(え)に隠して置いて、

灰で縄を綯(な)えと難題を、あの、褒美をくれる。

そいぎぃ、婆ちゃんが塩と縄綯(な)うたのを燃やす。

「ほら貝に糸を通しなさい」と、

難しいそいで、蜂蜜を流し込むわけですよ。

蟻に括(くく)りつけて、糸を。

そして明るい頃にこう、蟻がズーッとそこを、

潜り抜けて糸をきれいにその、なったちゅうね。

まあ、糸を褒美を貰って。

「どうして、そんなことができたか」と、聞かれて、

「年寄りだったら、自分にやり方ば、

とにかくその、やっていただいて」

と言うことで、出来たと言う話。

まあ、お年寄りを大切にしましょうと言う話ですね。

[大成 五二三A 親棄山(AT九八一)]

(出典 未発刊)

標準語版 TOPへ