鹿島市鮒越 松尾七郎さん(大14生)

  小柳嗣雄さん(大14生)

 平 喜久朗さん(大15生)

 みそ五郎て、とにかく太かったてなた。

太うもあったいどん、強うもあったち。

力持ち。

多良岳からさあ、飯杓子(めぇじゃくし)で

すくうて放(ほ)い投げたて。

多良岳からさあ、北山さいほい投げよったとの、あの、

飯杓子の外から、チカッとうっちゃえたとが五の宮さんてやんもん。

そいからその、そいが何(なん)ちゅうても

太かったもんじゃっけんなたあ、

あの、そこの七浦、鮒越ば埋めたたて芋ごし埋めたてて。

そいがこの峠て。(松尾七郎談)

多良岳があってですよ、ズーッとこう、立っとっでしょうが。

そいが、いつちょの峠で、みそ五郎が、

あの、こう股ぐらはたがってね、昔、芋の土になろうと。

そして出来たろうがあ。(小柳嗣雄談)

そして、諫早んにきまで広がっとんなたあ。

そいけん、ズーッと。

そいで、そけぇ、ほら、ここの向こん峠に、あの、

足型谷てあんもんなたあ。

みそ五郎が足ん型てやんもん。

尾根ば、埋め立てて芋ば挿しおったて。

あいどん、その尾根ば跨(またが)ろうでちゃ

相当に太かったとばい。(松尾七郎談)

とにかく、あの、太かごと、力強かとは

「みそ五郎のごっ」、て言いよったよ。(小柳嗣雄談)

そう言うようなことからじゃないでしょうか。

話ゃばえばえになってめ、

そがんなっとじゃなかですか。(平 喜久朗談)

[文化叙事伝説(巨人)]

(出典 未発刊)

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