神埼郡吉野ヶ里町目達原 荒木チヨさん(大2生)

 あの、下(しも)ん辺(にき)やあその、

「くど〔かまど〕の下(した)の灰のことも、へえ」ち言(ゆ)う。

「飛びよる〔飛んでいる〕蝿(はい)のことも、へえ」ち言うでしょう。

そいで、その人は山さい嫁に行ったて。山さい嫁行ったい、

そこん辺やあ、かまどの灰のことは、

「ひゃあ」ち言うでしょうが、山の方。

そいから飛びよっとも、

「ひゃあ」

そいぎい、行かしたところが、平八たん〔さん〕ておらしたて。そいけんね、

「へぇはちたんて呼ぶぎんと、こりゃまた下んべえて笑わるっけんが」ち言うて、

「ひゃあはったん」て言うたて。

そいが笑い話。

〔笑話その他〕

(出典 吉野ヶ里の民話 P192)

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