神埼郡吉野ケ里町箱川下 生島峰雄さん(昭2生)
あの、ちょっと姥ば、う捨てぎゃ行きよったけんが、
「ほら、またその、捨てぎゃ行く時、あの、駕籠(かご)ば持って
帰らんばらんけんが〔帰らなければいけないから〕」ちて。
「そや、駕籠はそけえ捨てとかんかい」ち、言うたにゃ、
「また、お前(まい)のお婆になったないば、お前ば捨てばなんけんが、
この駕籠もまあーだ持って行かんばない。
お前ば乗せて、あの、ここさい持って来んばらんけん」ち言う。
そいば聞いてもう、姥ば捨てんごとなったて、
いうごたっふうに言いないよったですね。
〔大成 五二三C 親棄畚 (AT九八〇A)〕
(出典 吉野ヶ里の民話 P167)