神埼郡吉野ヶ里町曽根 古賀フユさん(明38生)
お釈迦さんのおろたえて【慌てて】、その、
「痛(いと)うだけん、来(け)え」ちて、言いなったて。
そうしたらその、雀がおろたえ、いちばん口(くち)来たて。
そいぎ雀に、
「お前が、いちばん口来たけん、米の取るっ時やあ、
人間よいた早(はよ)う食うて良かて。
そいばってんが、その燕は白粉つけたい、紅つけたいして来たけん、
「わがは、虫ばかい食え」て、言いなったて。
そいけん、今でん燕は虫ばっかい食いよっ。
そがん言うてなた。
〔大成 四七A 雀孝行〕
(出典 吉野ヶ里の民話 P28)