伊万里市立花町渚 松尾テイさん（大5生）
伊万里読み聞かせボランティア 持永由美子さん
今度は、蟹も、
「そのお釈迦さんの変のかわいござった」
という話を聞いて、早くから出かけて行きましたが、
途中で何か面白いことがあって、つい道草をしてしまいました。
そして、時が経(た)つのもわからないで、遊んでしまいました。
しまった、遅くなったと思って、お釈迦さんの枕元に立ち、
「遅うなって済(す)いません。早うから出よったいどん、
足ばちょっと傷(けが)したもんじゃいけん」と、
遊(あそ)んでいたのは棚に上げて、嘘を言いました。
すると、
「そうにゃあ」
「お前(まゃ)あ、足の傷(けが)したないだ、
今から万劫(まんご)の末まで、そがん横せ歩かんばでけんたあ」と、
お釈迦さんがおっしゃったので、
蟹の足は真(まっ)直(すぐ)にならず、横に歩くようになりました。
（肥前伊万里の昔話と伝説 P66）
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