伊万里市立花町渚 松尾テイさん（大5生）
伊万里読み聞かせボランティア 田中涼子さん
お釈迦さんがご臨終の時、いろいろな動物、人間など、
宇宙にいる全部が集まります。
「お釈迦さんの変のかわいござったけん、
皆な、あの、見舞(みみゃ)あに行たが良かばい」と、
世話人さんが言ってまわりました。
雀は、をれを聞いて、朝から身仕舞をしていましたが、
「そうや。そぎ行(い)たてみんばでけん」と言って、
紅など、あっちに付けたり、こっちに付けたりして、
身仕舞もそこそこに行ったので、
雀がいちばん最初に着きました。
すると、お釈迦さんがその真心にめんじて、
「お前がない、えぇ、先いちばん口来たけんが、
もう世の中の初物なお前(まい)がいちばん口食べてよか」
と言って、許してくださったので、
雀は、米も余(あんま)り実ってないうちから食べることが出来るのです。
燕は、
「どうせあいの方が、今のう行っちゃ変わったこと、
どがんもしわえんもん」と言って、
立派に身仕舞(みずくろい)をして行ったので、いちばん遅く着きました。
そしたら、
「お前、今のう来たっちゃ何もなかけん、
虫ないどん食いよれ」と言われて、
虫ばっかり食べなくてはいけなくなった、ということです。
（肥前伊万里の昔話と伝説 P64）
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